愛知県職員(心理職)愛知県医療療育総合センター 療育支援センター「はるひの家」職員
心理学部 心理学科 2020年3月卒業 兵庫県・仁川学院高等学校 出身
(取材内容は2021年2月時点のものです)
高校時代から心理学に興味があり、知的障がいにも関心を持っていました。進学先として追大の心理学部を選んだのは、心理学を学ぶのに良い環境だという評判を聞いていたからです。
学びの中で特に印象に残っているのは、心理学部の教授で精神科医でもある溝部宏二先生の授業です。人気アニメ『エヴァンゲリオン』の主要キャラクターを精神疾患に当てはめて考えてみたり、性格傾向を分析してみる…という内容で、非常にわかりやすく、納得できました。私は現在、知的障がいのある児童のための入所施設で働いています。子どもたちと向き合う中でふと、あの授業を思い出して、一人ひとりの傾向を検討し、対応を見直すことがあります。「発達心理学」の授業も、現在の仕事に活かされていると感じます。一般的な子どもの発達と照らし合わせて考え、障がい児の問題に気づけることがあるからです。
大学時代を振り返ると、興味を持ったことについて自由に学べる日々でした。ただ勉強をしただけではなく、部活動やキャンパス内でのイベントなども思い出深く、とても良い大学生活を送れました。
私が本格的に心理系公務員を目指して勉強を始めたのは、3年次の春以降です。就職・キャリア支援課でアドバイスをもらったり、先輩に聞いたりしながら独自に公務員試験対策の勉強を続け、愛知県職員(心理職)に採用されました。臨床心理学の専門知識を活かして、心理アセスメントや相談・指導等を行ったり、障がいに関する啓発活動に携わる仕事です。
私の勤める施設では、小学生から高校生までの障がい児たちが生活しています。私はここで、指導員として彼らの生活サポートをしたり、児童支援計画を立案するための相談を行ったりしています。子どもたちが私のことを「話しやすい」と言ってくれるのは嬉しいです。年齢が近い分、彼らの気持ちに近いと思います。ただ、彼らが「できる」と言い張っても実際はできないことがあり、相手をどこまで尊重するのか考えなくてはなりません。また、私は子どもたちと向き合うとき、言葉づかいや表情、目線などを意識しています。大学の「心理面接実習」を通じて、その重要性を知ったからです。例えば注意をする際は、声のトーンを下げたり目を細めるなどしています。ほめるときも言葉だけでなく、満面の笑みで伝えます。コロナ禍で口元が相手に見えなくても、ちゃんと伝わっているようです。
いまは、この施設の児童のことをもっと知りたい、ここで知識と経験を重ねたい、と思っています。先輩職員に相談したり、自ら調べるなどして、学び続けています。将来は児童相談所などの経験も積み、福祉系、心理系の資格取得も目指したいと考えています。
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