学部案内

令和の市民視点で法律を考える、
新しいスタイルの法学を展開。
法に関する専門知識および法知識の基礎となる基本事項や思考方法といった法的素養とともに、幅広く深い教養、主体的な判断力や豊かな人間性を身につけます。それらを社会のさまざまな場面に適用できる応用力をもって、社会のさまざまな分野で日常的に生じる法的な業務や諸問題を的確に処理することのできる職業人を育成します。
学びの領域Territory
養成する具体的な人材像に対応した2つのコース。
グループ学習など主体的な学びを取り入れ、1年次から少人数で学ぶゼミ形式の授業を展開します。
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政策法務コース
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主に公務員を目指す
主として、国家公務員(総合職・一般職)・地方上級公務員やNPOなどの政策法務を目指すコースです。行政法、地方自治法などの知識をもとに、法律を運用し、政策立案(産業推進、都市計画、雇用対策、福祉充実等)ができる力を養成します。
法的素養を有した職業人へ
- 進路
イメージ -
- 国家・地方公務員
- 行政書士
- 金融機関(総合職)
- 法科大学院
- 進路
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企業法務コース
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主に民間企業への就職を目指す
主として、民間企業へ就職し企業法務を目指すコースです。経済法や労働法などの法的知識をもとに、企業経営の根幹に関わる問題(雇用問題、不公正取引、M&A、訴訟対策、企業再生等)を解決する力を養成します。
法的素養を有した職業人へ
- 進路
イメージ -
- 上場・大手企業
- 行政書士
- 金融機関(総合職)
- 法科大学院
- 進路
学びの特色Features
ジェンダーや国際関係、企業法務など、
現代のニーズに応える課題を扱う。これまでの法律家を目指す法学部とは一線を画す、市民目線の法学部を目指しています。オーソドックスな従来のカリキュラムは残しつつ、抽象的な法律の項目だけを学ぶのではなく、個人にとって身近で誰にとっても大切なテーマや、現代社会のニーズに沿った課題についても積極的に扱っていきます。例えば次のような課題です。
科目例
- ジェンダーと法 ジェンダーの視点を明らかにする
- 国際関係法Ⅰ 平和と公正をすべてのひとに
- 行政倫理と自治体法務 自治体の役割と未来を考える
- 企業倫理と企業法務 企業のあり方と未来を考える
- 科学技術と法 医療・情報技術の高度化への対応
グループ学習をはじめ、
学生参加型の主体的な学びを展開。1年次から少人数のゼミ形式の授業を展開。従来の大講義形式だけでなくグループ学習を取り入れ、学生同士が語り合い討論する主体的な学びを重視しています。
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1年次
法学文献を演習形式で講読し、
法学の基本的な概念や思考様式を身につける -
2年次
法学に関わる情報収集や分析・評価の方法について
演習形式で身につける -
3年次
各自が専門領域を絞り、基本的な調査・研究を行う
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4年次
実社会の課題なども取り上げ、
複眼的な観点から調査・研究を行ってまとめあげる
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キャリアサポート (全学向けに正課外で展開しているプログラムです)Career Support
授業とあわせて相乗効果を狙う
難関公務員試験対策プログラム公務員試験で問われる法律系科目については、法学の思考様式の礎となる基礎法学を踏まえたうえで、必須となる憲法・民法・行政法を学ぶことができます。各分野における第一人者の教授陣による授業から法律や政策の専門知識を学び、ゼミ形式の授業で公務員試験の2次試験で必要となるプレゼンテーション能力・論文作成能力を身につけます。さらに、追大なら、国家公務員・地方上級公務員を目指す学生へのサポート体制が充実しています。
難関公務員試験対策プログラムでは、国家公務員や地方上級職を目指す学生を、1年次からサポートします。
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01
法学文献を演習形式で講読し、公務員合格への第一歩
宅地建物取引士合格へ -
02
次なる資格取得への挑戦
行政書士合格へ -
03
さらなる対策講座の提供
公務員試験対策
資格等取得奨励金制度
資格取得した学生に奨励金を給付しています。追大は挑戦する学生を経済的な面からも応援します。(※規定あり)
奨励金額
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国家公務員[総合職]ほか
同等レベルの公務員試験 200,000円 - 行政書士 50,000円
- 宅地建物取引士 30,000円
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01
Pick up 科目Pick up Subject
- 刑事手続法Ⅰ
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刑事手続法(刑事訴訟法)の基本原理を修得し、その手続きの前半にあたる「捜査法」の分野を中心に授業を行います。職務質問・所持品検査などの任意捜査、逮捕・勾留・捜索差押えなどの強制捜査に関して理解します。
- 法学入門
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基礎法学(法哲学、法社会学、法制史など)の基本的な思考様式と方法をもとに、実定法学(憲法、民法、刑法、行政法、商法)の初歩を学べる授業を実施。法の体系と基本的な考え方を理解し、初歩的な法解釈の方法を身につけます。
- 比較法
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日本を含むさまざまな時代・国・地域の法のあり方を比較検討します。ドイツとアメリカの憲法を比較して日本国憲法を考えるといった授業等を通じて法の多様性への視座を身につけ、日本の法制度の独自性を理解することを目指します。
- 国際関係法Ⅰ
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各種国際法が確立されるに至った事例を取り上げ、地理、歴史、経済に関する知識を活用し、それらがどのように法的な対立を生んだかを考察。ローマ法までさかのぼることも多い国際法の原則を理解し、現代の国際課題の解決へと役立てます。
- 知的財産法
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知的財産法に関する基礎的な知識の修得を目指し、知的財産法を構成する特許法、著作権法、意匠法、商標法などについて理解します。身近に実際に生じる知的財産法に関する基本的な問題を実践的に解決できる能力を養います。
取得できる資格Licence
● 学芸員
● 社会教育主事(※卒業後、1年以上社会教育主事補を務めた後に取得)
取得を目指す資格
● 宅地建物取引士
● 行政書士
学部長メッセージMessage
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追手門学院大学 法学部での
新しい学びと切り開かれる未来 -
はじめに
法学部長を務めさせていただく、高田篤です。皆さんの学生生活が素晴らしいものとなるよう、他の先生方とともに、最大限の努力をしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。皆さんは、学生生活をスタートするにあたって、大きな希望を持っておられることでしょう。しかし、それと同時に、小さくはない不安を抱いておられるかもしれません。その不安は、ひとりひとり様々だと思いますが、多くの方々が共通して、二つの不安を持っておられるのではないか、と想像しています。ひとつは、高校までの学びとは違う、大学での新しい学びに対する不安。もう一つは、自分たちの学ぶ場が新しい学部である、ということによる不安です。
はじめに
法学部長を務めさせていただく、高田篤です。皆さんの学生生活が素晴らしいものとなるよう、他の先生方とともに、最大限の努力をしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
皆さんは、学生生活をスタートするにあたって、大きな希望を持っておられることでしょう。しかし、それと同時に、小さくはない不安を抱いておられるかもしれません。その不安は、ひとりひとり様々だと思いますが、多くの方々が共通して、二つの不安を持っておられるのではないか、と想像しています。ひとつは、高校までの学びとは違う、大学での新しい学びに対する不安。もう一つは、自分たちの学ぶ場が新しい学部である、ということによる不安です。
1新しい学び
まず、新しい学びについてです。
皆さんは、小学校以来、教科書や参考書など、与えられた教材をしっかりと理解し、それを頭に入れることを目指して、勉強してきました。そして、どれほど理解しているかが、問題集や試験などでチェックされました。もちろん、どうすれば効率的に頭に入れることができるかなど、それぞれで工夫をされたと思います。しかし、与えられた教材をできるだけしっかりと理解する、というのが基本的な勉強の仕方でした。
もちろん、大学の勉強でも、理解して頭に入れる作業は欠かせません。しかし、今までと違うのは、より積極的に学ぶ、大層に言えば、学問をする、ということが求められることです。非常にわかりやすく言えば、例えば、目の前の教科書の内容は、20年後、30年後、すっかり変わっているかもしれない、ということを意識して学ぶことが必要になります。
皆さんが学ぶ法や、法にかかわる問題・課題は、時代とともに変化していきます。そして、法を扱う行政や裁判のあり方、また、法を研究する学問の成果も、発展・展開していきます。20年後の教科書が、今皆さんが使われる教科書と比べて、相当変化している、ということは、むしろ当然のことなのです。
しかし、学ぶ内容が変化しても、皆さんの大学での学習が、無駄になるわけでは、もちろんありません。皆さんは、学ぶ内容について、
-どうしてそんなことが問題になるのか、
-何故それに対して異なった考え方があるのか、
-自分はどう考えるのか、
-今後この課題はどのように変化していくのか、
といったことを考えながら、それに取り組んでいきます。それを通じて、そのような学びの方法を身につければ、皆さんは、人生の各ステージで、新しい課題にぶつかっても、しっかりと学んで対処していくことができるからです。追手門学院大学は、「生涯にわたって学び続ける」ということを大切にしていますが、本学での学習の肝は、ここにあるのです。
そのような学習方法を身につけるためには、4年の間、常に積極的に学習する必要があります。追大法学部は、それを皆さんの自覚や頑張りに期待するだけではなく、それが可能となるよう、講義の機会だけではなく、少人数教育の機会を絶え間なく提供することによって、自然とそのような学習ができるようにします。つまり、1年生から4年生まで、皆さんは、常に、少人数の学生からなる何らかの「ゼミ」に所属し、先生や他の学生と共に、積極的に学ぶことになります。これだけの少人数教育の機会を提供している法学部は、なかなかありません。本学は、皆さんが先生方と身近に、双方向で接し、学生同士が共に学ぶことによって、皆さんの、理解し、考え、議論し、まとめ上げ、表現する能力が育っていくようにしていきます。
皆さんが、積極的に授業に参加すれば、新しい学びへの不安は、きっと学びへの大きな希望と期待に変わっていくはずです。
2新しい学部
次に、新しい学部であることについてです。
伝統的な法学部は、「実績」があり、そこで学ぶ学生の多くがそれを信頼しています。しかし、その「実績」というものは、先輩方がしっかりと学ばれ、成果をあげて来られたことの積み上げです。そこで今学んでいる学生が、自ずとその「実績」に続くことができるわけではありません。自分自身でしっかりと学び、成果をあげなければならないことは、皆さん方、追大法学部の学生と、なんら変わりません。ただ、彼らには、先生方や先輩方と接することによって、どのようにしていったらいいのかについて、「道筋」がみえるように思える、という強みがあるのでしょう。
その点で、一番大切なのは先生方です。先生方が、優れた指導力と、経験を持っておられる、ということは重要です。先生方については、追大法学部は、本当に素晴らしい設立メンバーがそろいました。論より証拠。もし、皆さんの友人で、他の法学部で学んでおられる方がおられたら、その方を通じて、他大学の法学部の先生に聞いてみてください。「新しい追手門の法学部の先生って、すごいメンバーなんですってねぇ!?」間違いなく、肯定的なお返事が返ってくるはずです。既に様々な大学で、大きな実績・経験を積んでこられた先生方。今、脂が乗りきって、活躍されている先生方。今後の法学を担っていくだろう、と期待されている先生方。本当に、素晴らしいチームが出来上がりました。皆さんは、その先生方と、他大学の法学部の学生以上に、身近に接していくことができます。伝統的な法学部以上に大きいそのようなチャンスを、是非生かしてください。
確かに、先輩方が少ないことに、不安を感じることがあるかもしれません。しかし、ものは考えようです。過去のしがらみに何らとらわれず、皆さん自身が、全てを新しく作り、その後に道ができるというのは、なかなか出会うことのできない、面白い機会です。私も初めての経験で、わくわくしています。例えば、様々な分野で活躍しておられる方々からお話をうかがう機会を設けるなどして、皆さんがこれからの生き方を考えるのを、サポートしていきます。皆さん方も、そのような機会に、自分の将来に対する見通しに刺激を与え、それをより具体的なものにしていってください。新しい学部への不安は、むしろ「力」となり、「工夫」となって、皆さんの未来を切り開いていきます。
おわりに
学生生活では、新たな出会い、経験を多くされることでしょう。数多くの刺激を受けると同時に、悩みに直面する場面もあるかもしれません。いずれにせよ、追手門学院大学法学部一期生として過ごすこれからの年月(としつき)は、皆さんの人生にとって大切な、かけがえのないものとなることでしょう。その皆さんの大切な時期に、私たち教員は、しっかりと寄り添っていきたいと思います。皆さんが、健康で、充実した学生生活を送られることを、心から願っています。
教員インタビューInterview
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グループ学習など主体的な学びを取り入れ、
市民目線で法律を考える新しいスタイルの法学部に -
三成 美保 教授
専門分野:法制史、ジェンダー法学本学に設置したのは、これまでの法律家を目指す法学部とは一線を画す、市民目線の法学部です。オーソドックスな従来のカリキュラムは残しつつ、抽象的な法律の項目だけを学ぶのではなく、身近なテーマであるジェンダー法学やLGBT、選択的夫婦別姓など、現代社会のニーズに沿った課題についても積極的に扱っていきます。例えばDVやハラスメントなどの問題に直面した際、法律を知っているかどうかで情報へのアクセスの仕方が変わってきます。男女の問題や家族の問題とはいえ、そこには何かしらの法律が存在しているのです。また、SDGsなどの国際的な課題における日本の法整備は十分なのか、グローバル規模で考えた法律や権利の位置づけなど、文化や歴史を他国と比較して考えてみるとさらに興味深い学びになります。授業スタイルについては、従来の大講義形式だけでなくグループ学習を取り入れ、学生同士が語り合い討論する主体的な学びを進めます。単に情報を集めるだけではなく、分かりやすく要点をまとめて発表するなど、学生同士の学び合いの中にこそ新たな発見があるはずです。