学部案内

AI(人工知能)は何でも教えてくれるの?
何を聞いても答えてくれる。人間よりも優れているように見える人工知能。
間違えたりしないのか。私たちの生活にどのような影響があるのか。
コンピュータが言葉を処理する仕組みを学ぶことで、その素晴らしさと限界を知ります。
仮想空間(VR)で、見て、聞いて、
触って、感じて、動く
知覚情報(映像や音声、触覚)の処理や認識などの人工知能の基礎と応用を学び、仮想空間上のアバターや遠隔地ボットを介し、見たり聞いたり、触ったり動いたりする事を可能にすべく研究を進めます。
思考から人間らしさを学ぶ
人間は時に突拍子もないことを思いついたり、大きな間違いを犯すことがあります。しかし、近年のAIをはじめとする優れた技術は、人間の思考から産み出されました。このような、時に愚かな、でも非常に優れた人間の思考の不思議な性質について学んでいきましょう。
知の創生(人工知能)と知の探究(認知科学)の融合。真に役立つAIの創発。
人工知能・認知科学専攻では、人工知能と認知科学を融合させ、人とAIの接点を探りながら、人に優しいAIの実現を目指しています。この専攻では、AIの基礎から最先端技術までを体系的に学びます。同時に数理的手法を用いて人間の知能を解明する認知科学や、多様な分野の心理学も幅広く学ぶことができます。これにより、AI技術の深い理解とともに、人間とAIの関係性への洞察を深める力が身につきます。
学びの領域Territory
人工知能領域の3つの分野と、認知科学領域の2つの分野があります。4年間で人工知能・認知科学の両領域の学びを深めながら、選択したひとつの分野に関して、より深く学びます。
- 進路イメージ
- 医療機器メーカー 自動車メーカー ITコンサル企業 AIビジネス開発 ゲーム業界 など
- TOPICS
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人工知能・認知科学と心理学、文理融合の学びをより深く
心理学専攻との専攻間相互履修が拡大!2026年度入学生より、心理学専攻のほぼすべての科目(一部実習科目等を除く)を履修できるようになります。
AIを使うのは人間であり、生成した結果をどのように活かすか判断するのも人間です。そのため、優れたAIをつくるには人工知能に関する知識やプログラミングのスキルを修得するだけではなく、人間の心理や行動への深い理解が欠かせません。心理学部だからこそできる文理融合の学びにより、多様な視点と知識・スキルを持つ優れた人材を育成します。
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AIには、どのように考えて判断したのかというプロセスが見えない「ブラックボックス問題」という課題があります。AIの意思決定を人にとって理解しやすいものにするためには、人の心の振る舞いを考える心理学の知識が今後非常に大事になってきます。
庄野 修 教授
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もともとAIは人間の知性をいかに機械にのせるのかを発端にしており、心理学とは非常に親和性の高いものでした。人の心を学ぶことは、人がAIを正しく活用していくために、非常に重要です。相互履修拡大により、どちらの学問分野にも大きな相乗効果が期待できます。
本田 秀仁 教授
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学びの特色Features
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これからの社会に必要な人工知能を学ぶ
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人工知能が様々な分野に革新的な変化をもたらしつつあります。伝統ある心理学部の中で基礎科目、基幹科目、展開科目と段階を踏みながら、人工知能、認知科学、心理学を融合的に学ぶことで、人、社会の中にある様々な問題に対して適切に人工知能を駆使して解決できる人材を育成します。卒業後は大学院に進学して研究を続けることも可能です。
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人の暮らしに役立つ新たな人工知能を探究
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人工知能と認知科学、心理学の融合により、人との自然な相互作用が可能な人工知能を開発します。このため、人を対象とした心理学・認知科学の研究成果をもとに、相手の言語・表情や声、動作などの情報を人と同じように処理し、人の気持ちを見極める技術を実現します。
さらに、経済や法律、芸術といったさまざまな学問領域と協力することで、暮らしにより役立つ人工知能へと成長させていきます。
Pick up 科目Pick up Subject
- 学習アルゴリズム
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コンピュータが人と同じように見たり聞いたりしたことを理解できるようになるために必要な学習機能の仕組みを学びます。

- 人間の思考と人工知能
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人工知能が持つ性質との比較から、人間の思考の性質、特に人間の思考が持つ優れた側面について焦点をあてて学んでいきます。

- 画像・映像処理概論
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画像や映像の撮像から信号処理、伝送、表示、画像認識理解や、バーチャル空間での処理にいたる、一連の技術の基礎と応用方法を学び、AIを使いこなす能力を養成します。

- 自然言語処理応用
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コンピュータに言葉を理解させる自然言語処理技術を用いて、翻訳システムや対話システムのような人間の役に立つシステムをどのように構築し、どのように活用していくかを実際の応用例に沿って学んでいきます。

受験が考えられる資格Licence
● G検定(一般社団法人日本ディープラーニング協会)
● Python 3エンジニア認定基礎試験
● AI実装検定®
● 画像処理エンジニア検定
進路実績Career path
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就職率※
100 % -
- 主な進路
- パナソニックITS株式会社/株式会社エスケーエレクトロニクス/株式会社TOKAIホールディングス/トランスコスモス株式会社/富士ソフト株式会社
(2024年度卒)
※ 2025年3月卒業生就職率/就職率は就職活動者を分母とした場合の率です。
授業紹介Class Introduction
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共同研究に必要な協調性を養うため
インタラクティブな学びを展開画像・映像メディア分野
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丸野 進 教授
専門分野 : 画像処理、知能処理、ニューロAI何気ない日常生活からバーチャル空間に至るまで、さまざまな場面に実装されつつあるAI技術。その原理や活用方法、倫理的な課題に至るまで、先進企業で培った豊富な研究ノウハウをもとに指導します。AI技術を使いこなす実務能力の養成を目的に、「画像映像処理概論」での基礎知識の修得からスタート。グループワークやディカッションなどのインタラクティブな学びの体験は、卒業後、メーカーや研究機関などで共同開発プロジェクトに取り組み、各専門家とチームを組んで課題の解決に挑む際に、必ず役に立つはずです。
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プログラミング技術を基本的知識から修得し
問題解決能力を養う基礎科目
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谷 恵介 特任助教
専門分野 : 知覚心理学、認知神経科学、身体制御人工知能分野やデータサイエンス、神経科学、心理学領域などで主に使用されているプログラミング言語を使用し、演習を通じて基本的なプログラミング技術を習得します。講義後は内容に関して理解が深まるようレポート課題を実施し、次の授業までに添削し解説などをフィードバックします。秋学期の後半には、簡単なアプリ作成のためのグループワークを行うなど、情報社会で必要不可欠なプログラミングに関する知識と技術の修得を目指します。また、プログラミングの学修を通じて論理的思考力や問題解決能力の向上を図ります。
教員インタビューProfessor's Interview
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リアルな画像や動画を 生成する深層学習
機械学習・データサイエンス分野 庄野 修 教授
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リアルな画像や動画を生成したり、一連の動画からその続きの動画を予測したりする深層学習の手法について研究しています。中でも、車載カメラの動画からその続きを正確に予測するために必要な技術に力を入れています。正確な予測ができると、いろいろな条件での走行がシミュレートできます。
|専門分野|知能情報学、知覚情報処理、計算論的神経科学
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画像・映像メディアが 未来を進化させる
画像・映像メディア分野 丸野 進 教授
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監視カメラや自動運転、病理診断など多様な分野への応用が期待され、人間の作業の代替・サポートを可能にする視覚情報処理をテーマに研究中。さらに、ゲームなどの映像に臨場感とリアリティを与え、新しい映像体験を生み出す研究開発に取り組んでいます。
|専門分野|画像処理、知能処理、ニューロAI
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優れた判断について 科学的に分析する
思考・意思決定分野 本田 秀仁 教授
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意思決定科学が専門です。どのように優れた判断や意思決定がなされているかを科学的に分析しています。例えば、混んでいるレストラン=美味しいと推測し、私たちは単純な推測からいろいろなことを適切に判断します。こうした経験則の性質について力を入れています。
|専門分野|認知科学、意思決定科学、認知心理学
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自然言語処理で 誰もが使える人工知能へ
言語メディア分野 山上 勝義 教授
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人が使う言葉(自然言語)を計算機で取り扱う研究に取り組んでいます。特に自然言語で対話するための技術を研究テーマにしています。この研究を進めることで、さらに自然に人と会話ができるAIの実現に近づき、より多くの人がAIの恩恵を受けられるようになります。
|専門分野|人工知能、自然言語処理、対話システム
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「身体を動かせる」という 身近で未解明な謎に迫る
身体性認知・制御分野 廣瀬 智士 准教授
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人が適切に身体を動かすためには想像以上に複雑な計算が必要です。環境や自身を知覚して、適切に動きを計画し、正しく身体を動かすために脳がどのように複雑な計算を実現しているのかを、行動計測、脳活動計測、脳刺激などを組み合わせて明らかにする研究を行っています。
|専門分野|認知神経科学、身体制御、脳機能画像解析