人工知能・認知科学専攻インタビュー
心理学部 心理学科 人工知能・認知科学専攻 1年 京都府立桃山高等学校 出身
(取材内容は2021年12月時点のものです)
ロボットが徒競走で人より早く走っても感動するでしょうか。人工知能に漫才を学習させれば新しい笑いが生まれるでしょうか。約1年間、人工知能と認知科学の基礎を学んできて私が思うのは、人工知能は人ができないことをするために開発されるものだということです。人工知能によって人の仕事が奪われるという話もありますが、私はむしろ新しい仕事が増えるのではないかと考えています。例えば、プログラミングやAIに関わる産業など、今までにない仕事や職種がこの分野ではたくさん生まれています。私が興味を持っているマッチングのジャンルでもそうです。人と人、企業と企業のマッチングなど、既存のサービスもありますが、もっと多くのデータを集めて最適化することで社会により貢献できると考えています。
それに、人工知能はあらゆる場面で使われます。しかし、人工知能にも得手不得手があり、活かし方は人間次第。今、世の中は何でもAIだといわれる風潮を感じますが、決して人にとって代わるものではなく、むしろ人ができなかったり、できても時間がかかったりすることを短縮するのが人工知能の役割だと思えるようになりました。
人工知能とは人間がより活躍するための手段であり、その人工知能について心理学的なアプローチも交えて、専門的に学ぶことができるのが人工知能・認知科学専攻の強みだと感じています。
もともと理系分野の勉強が好きで、心理学も同時に学びたいと考えていたため本専攻を第一志望に選びました。
授業で興味深いのは人工知能開発に必要な知識やプログラミング言語です。人工知能をつくるための基礎的な部分ですが、とても新鮮に感じています。人工知能・認知科学概論では、人間が脳の中でどのように情報処理を行っているのか解明し、人工知能として動作させることに関連づけて学びます。人間がする作業の代替やサポートを可能にする研究開発などのテーマはとても面白いです。心理学のアプローチを知ることで、人間と同じようなコミュニケーション機能を持った人工知能の作成も夢ではないと思えるようになりました。
専門の授業は一人で課題をこなすのではなく、みんなで取り組む機会が多くグループディスカッションも頻繁に行っています。他者の意見を知ることで多角的に物事を見られるようになり、自分の考えを発表することで授業に対する知識を深められます。専門的な知識ばかりで難解に感じる場面もまだありますが、少しずつ自分の成長を実感できています。
また、心理学の授業での学びを日常の中で発見することが度々あり、今まで、普段の生活では特に意識していなかった事柄にも関心を向けられるようになりました。
今後は心理学を用いた実験などを通じて専門的な知識を深めていきたいと思っています。将来は心理学を活かした人工知能の研究などもしてみたいと考えています。
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