行政や企業が何かを決める際、欠かせないものとなっているのが「データ分析」。目的に応じて必要なデータを集め、統計モデルを用いてデータを分析することで、現状把握や課題抽出、未来予測などに役立て、より合理的な意思決定を実現します。山村先生はこのデータ分析の精度をさらに高めていくための理論的な研究とともに、実際のデータを用いた分析を行う応用的な研究に取り組み、行政・医療・流通など様々な分野への貢献を果たしています。
データ分析の方法にはたくさんの種類がありますが、山村先生はなかでも「時空間統計解析」の研究に注力。「いつ」「どこで」収集されたデータかを考慮した分析により、時空間の相互作用による数量の変動や傾向・パターンなどを明らかにできる、というものです。例えば山村先生が実際に手がけた大阪府の犯罪率調査のデータ分析では、分析結果について、地図や時系列で分布を色分けして示すことで、犯罪が発生した地域と時期の変化を可視化。「この年のこの場所で犯罪が集中多発している、なぜだろう?」といった考察からの対策立案にも役立てられる分析結果となっています。
医療分野では新薬の効果と副作用の分析、マーケティング分野ではポイント戦略の効果の分析、ほか金融、メーカー、教育、物流など、山村先生は様々な分野でのデータ分析に携わってきました。今後も社会のあらゆる場面で、データ分析のニーズは高まり続けるでしょう。すごく難しいことでも、数学の理論を使って分析し、図や表など、誰にでもわかりやすい形にして伝える。そんな力を、みなさんも身につけてみたいと思いませんか? 山村研究室では理論的な研究はもちろん、コンペへの積極的な参加など、データ分析の実践を通しての応用的な研究にも大きな力を注いでいく計画です。

理工学部
数理・データサイエンス学科
山村 麻理子 先生
博士(社会工学)。筑波大学大学院 システム情報工学研究科 博士課程修了。大学時代は経済学部で学び、経済指標などの分析に携わるうちに統計学やデータ分析に関心を抱くように。大学院修了後、厚生労働省の研究機関に勤務するなかで、実社会におけるデータ分析の有用性を強く実感したことから、この分野を突き詰めていこうと決意。以降は国内外の様々な大学で研究・教育活動に従事し、追手門学院大学に。地図や電車が好きで、それが時空間統計解析に興味を持ったきっかけにもなっている。