OIDAI理工ラボ

未来を創る、追大理工学部

追手門学院大学
機械工学科

SPring-8の世界最高レベルの放射光X線も活用し、金属材料の「まだ誰も知らない新たな可能性」を探る。

宮澤 知孝 先生

自動車や電車のボディ、橋梁や建築物などの大きなものから、食器などの日用品に至るまで、私たちの周りには金属材料から作られたものが数えきれないほどあります。強度が高く、それでいてガラスやセラミックのように簡単に割れるといった脆さがなく、叩いたり伸ばしたりして加工しやすく、リサイクル性にも優れた材料です。宮澤研究室では、放射光X線による大規模な実験などを通して、こうした金属材料の「まだ見ぬ可能性」の追究に挑戦できます。

まずは観察により、金属材料について深く知ることから

電子顕微鏡で観察すると、金属の内部構造は均一でないことがわかります。例えば、銅と銀を混ぜた合金では、銅の中に小さな粒になった銀が散りばめられた、まるでチョコチップアイスのような構造が見られます。こうした組織の構造や変形させた時の変化の様子を観察し、「その金属の中で何が起きているか」を理解することで「金属のどんな組織構造が、どんな特性に繋がるか」が見出せるのです。「より強く」「より軽く」「より加工しやすく」「より環境に優しく」といった金属材料の特性を最大限に引き出していく、そのための第一歩となる実験や観察に、宮澤先生は日々打ち込み続けています。

放射光X線を駆使し、新しい視点からの研究に挑む

金属材料研究の歴史は長いですが、「金属材料のポテンシャルはまだまだこんなものではない」と考える宮澤先生は、従来の電子顕微鏡での観察にとどまらず、放射光X線という新たなツールを積極的に活用。理化学研究所が所有する、世界屈指の大型放射光施設『SPring-8』に備えられた、金属をも透過する超高性能な放射光X線を駆使し、電子顕微鏡ではなし得なかった「新たな発見」に挑んでいます。試行錯誤を繰り返しつつ、それでも「まだ誰も見たことのないもの」が見られる可能性を探究できるのは、他に変え難いやりがい。特に「実験が好き」といった方なら、SPring-8での実験は胸踊るような体験になると思います。

理工学部
機械工学科
宮澤 知孝 先生

博士(工学)。東京工業大学 大学院総合理工学研究科 材料物理科学専攻 博士課程修了。 大学生の時は物理学科で量子力学などを学んでいたが、物性物理を学び始めて超伝導などの現象に触れ、材料分野に興味を持つ。子どもの頃から好きだったロボットアニメの影響もあって「金属材料で大きなもの、社会を支えるようなものを作る研究はやりがいがあるはず」と考えて東京工業大学大学院に進学したのが、現在の研究活動の出発点。ものづくりに関わるエンジニアは、材料の知識もしっかりと身につけてほしいと考えているそう。