学部案内
AI(人工知能)は何でも教えてくれるの?
何を聞いても答えてくれる。人間よりも優れているように見える人工知能。
間違えたりしないのか。私たちの生活にどのような影響があるのか。
コンピュータが言葉を処理する仕組みを学ぶことで、その素晴らしさと限界を知ります。
仮想空間(VR)で、見て、聞いて、
触って、感じて、動く
知覚情報(映像や音声、触覚)の処理や認識などの人工知能の基礎と応用を学び、仮想空間上のアバターや遠隔地ボットを介し、見たり聞いたり、触ったり動いたりする事を可能にすべく研究を進めます。
思考から人間らしさを学ぶ
人間は時に突拍子もないことを思いついたり、大きな間違いを犯すことがあります。しかし、近年のAIをはじめとする優れた技術は、人間の思考から産み出されました。このような、時に愚かな、でも非常に優れた人間の思考の不思議な性質について学んでいきましょう。
人工知能×認知科学×心理学
目覚ましい進化を続け、次々と新しい技術が生み出されているAI(人工知能)。人工知能・認知科学専攻では、基礎から最先端の技術までにわたるAIの学びとともに、人の心の動きや行動を分析して数理的に解き明かす認知科学や心理学の学びを展開。AIの研究に心理学や認知科学の知見を融合し、人に優しく、人がより使いやすくなるAIを探究します。
学びの領域Territory
学びの特色Features
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これからの社会に必要な人工知能を学ぶ
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人工知能が様々な分野に革新的な変化をもたらしつつあります。伝統ある心理学部の中で基礎科目、基幹科目、展開科目と段階を踏みながら、人工知能、認知科学、心理学を融合的に学ぶことで、人、社会の中にある様々な問題に対して適切に人工知能を駆使して解決できる人材を育成します。卒業後は大学院に進学して研究を続けることも可能です。
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人の暮らしに役立つ新たな人工知能を探究
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人工知能と認知科学、心理学の融合により、人との自然な相互作用が可能な人工知能を開発します。このため、人を対象とした心理学・認知科学の研究成果をもとに、相手の言語・表情や声、動作などの情報を人と同じように処理し、人の気持ちを見極める技術を実現します。
さらに、経済や法律、芸術といったさまざまな学問領域と協力することで、暮らしにより役立つ人工知能へと成長させていきます。
Pick up 科目Pick up Subject
- 学習アルゴリズム
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コンピュータが人と同じように見たり聞いたりしたことを理解できるようになるために必要な学習機能の仕組みを学びます。
- 人間の思考と人工知能
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人工知能が持つ性質との比較から、人間の思考の性質、特に人間の思考が持つ優れた側面について焦点をあてて学んでいきます。
- 画像・映像処理概論
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画像や映像の撮像から信号処理、伝送、表示、画像認識理解や、バーチャル空間での処理にいたる、一連の技術の基礎と応用方法を学び、AIを使いこなす能力を養成します。
- 自然言語処理応用
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コンピュータに言葉を理解させる自然言語処理技術を用いて、翻訳システムや対話システムのような人間の役に立つシステムをどのように構築し、どのように活用していくかを実際の応用例に沿って学んでいきます。
受験が考えられる資格Licence
● G検定(一般社団法人日本ディープラーニング協会)
● Python 3エンジニア認定基礎試験
● AI実装検定®
● 画像処理エンジニア検定
授業紹介Class Introduction
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共同研究に必要な協調性を養うため
インタラクティブな学びを展開画像・映像メディア分野
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丸野 進 教授
専門分野 : 画像処理、知能処理、ニューロAI何気ない日常生活からバーチャル空間に至るまで、さまざまな場面に実装されつつあるAI技術。その原理や活用方法、倫理的な課題に至るまで、先進企業で培った豊富な研究ノウハウをもとに指導します。AI技術を使いこなす実務能力の養成を目的に、「画像映像処理概論」での基礎知識の修得からスタート。グループワークやディカッションなどのインタラクティブな学びの体験は、卒業後、メーカーや研究機関などで共同開発プロジェクトに取り組み、各専門家とチームを組んで課題の解決に挑む際に、必ず役に立つはずです。
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自然言語処理技術を学び
機械翻訳や対話システムに応用言語メディア分野
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井佐原 均 教授
専門分野 : 人工知能、自然言語処理、機械翻訳「黒い目のきれいな女の子」。この文章には何通りの解釈があるでしょう? 実は18通りあり、コンピュータはすべてを同等の可能性として認識します。そこで文法規則や実例などを教えることで、人間同様に言葉を理解し、活用するコンピュータを実現するのが言語メディア学です。学生は、コンピュータに言葉を処理させるアルゴリズムやデータサイエンスの知識、プログラミングの技術、人工知能の開発手法など、基礎から応用まで段階的に学びます。そして機械翻訳やAI対話システムなどを開発し、発展させる力を身につけます。
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プログラミング技術を基本的知識から修得し
問題解決能力を養う基礎科目
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谷 恵介 特任助教
専門分野 : 知覚心理学、認知神経科学、身体制御人工知能分野やデータサイエンス、神経科学、心理学領域などで主に使用されているプログラミング言語を使用し、演習を通じて基本的なプログラミング技術を習得します。講義後は内容に関して理解が深まるようレポート課題を実施し、次の授業までに添削し解説などをフィードバックします。秋学期の後半には、簡単なアプリ作成のためのグループワークを行うなど、情報社会で必要不可欠なプログラミングに関する知識と技術の修得を目指します。また、プログラミングの学修を通じて論理的思考力や問題解決能力の向上を図ります。
教員インタビューProfessor's Interview
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自動運転から新しい映像体験まで、
画像・映像メディアが未来を進化させる。画像・映像メディア分野 丸野 進 教授
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「百聞は一見に如かず」と言われるように、画像・映像メディアは人間にとって重要な情報のひとつです。画像・映像メディア分野では大きく2つの観点から研究開発が進められています。1つ目は、「視覚情報処理」という観点。人間がどのように視覚情報処理を行っているのかを解明し、その仕組みを人工知能に実装することで、人間の作業の代替・サポートを可能にしていく研究開発です。例えば、監視カメラや自動運転、病理診断などさまざまな分野への応用が期待されています。そして2つ目は、「映像メディア処理」という観点です。映画やテレビ、ゲームなどの映像をいかに臨場感とリアリティのあるものに進化させていけるか。新しい映像体験を生み出すために、CG等の技術も含め研究開発に取り組んでいます。
|専門分野|画像処理、知能処理、ニューロAI
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ロボットと人間が気持ちを通わせ、
自然な対話ができる日も近い。言語メディア分野 井佐原 均 教授
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人間は「読む」、「書く」、「話す」といった知的な活動の多くを言葉によって行います。私はそのような人間の言葉に関する知能をAI(人工知能)に応用していくことを目指し、自然言語処理の研究に取り組んでいます。すでに身近なところでも、 自動で言語を翻訳する機械翻訳システムや介護ロボット、チャットボット等に使われる対話システムなど自然言語処理技術が活かされています。現在はAI (人工知能)が大量のデータを学習したうえで最適な言語を導き出していますが、今後より研究が進めば人間の気持ちを汲み取り、より自然な対話ができるシステムやロボットが誕生する日も近いかもしれません。
|専門分野|人工知能、自然言語処理、機械翻訳
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思考や意思決定から人間らしさを理解し、
人間の優れた側面をより高める方法を考える思考・意思決定分野 本田 秀仁 准教授
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ChatGPTをはじめとする非常に優れた人工知能が登場し、私たちの日常生活に身近な存在になってきました。このような時代だからこそ、「人間らしさとは一体何なのか?」という問いを考えることが非常に重要です。例えば、認知バイアスは一般的に思考や判断の誤りや偏りを引き起こす人間の思考の否定的な側面として認識されています。しかし、それが人間らしさであるならば、人間が示す優れた知性や創造性と密接に関連している可能性もあります。よって、認知バイアスが持つポジティブな側面についても理解することが重要です。また、人工知能との比較から、人間の認知(知っている情報量、または計算能力など)には限界が存在することは明白です。そのような限界が存在することを前提に、人々がより良い判断や意思決定を行えるようにするための介入法について考えることも重要になってきます。意思決定をサポートするツールやアプリケーションの開発、トレーニングや教育プログラムについて考えていくことが今後非常に重要になるでしょう。私は人工知能との比較を通じて、人間の思考や意思決定から見えてくる人間らしさを明らかにすること、またその中にある人間の優れた側面をより高める方法に関する研究に取り組んでいます。
|専門分野|認知科学、意思決定科学、認知心理学
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身体を動かすという神秘的な事象を解明し
人工知能や仮想空間で活用する。身体性認知・制御分野 廣瀬 智士 准教授
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身体性認知・制御分野では、人間の運動に関する能力がどのように実現されているのかを明らかにする取り組みを行なっています。ここでの「運動」とは、コップに手を伸ばしたり、それを掴んだりという何気ない動作も含む、脳が身体を動かす(制御する)という意味の言葉です。私たちは常に運動をしていますが、体をうまく動かすためには、難しい計算を素早く行う必要があります。また、新しい運動を練習する時、人間は繰り返し練習することで、素早くその運動ができるようになります。これらの能力は最新のロボットよりも遥かに秀でたもので、脳がこの能力をどうやって実現しているかはまだよくわかっていません。人間の運動能力の謎に迫るため、脳や筋肉の活動を計測したり、運動を解析したりして研究を行っています。
|専門分野|認知神経科学、身体制御、脳機能画像解析