AIと国際活動の二刀流い挑む

「情報技術をいかに社会に役立てるか」 をテーマに、
国内はもちろん、
海外でも研究活動を行う宮本行庸先生。
先生の研究の3本柱、
AI・情報教育・国際活動について
お話をうかがいます。

教授 宮本 行庸先生

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研究者総覧(教員データベース)

世の中の課題解決は、
「自分が得すること」
からでいい

現在、第3次人工知能(AI)ブームといわれており、技術開発以上に、いかにAIを社会で活用するかが問われるステージに入っています。私の研究も、AIを使って世の中の課題解決を目指すことです。例えば、身近なテーマで最近取り組んだのが、YouTube®︎の視聴者数をどうやって上げることができるか。ネット上に動画コンテンツがあふれる今、そのカギはサムネイル画像ではないかと考え、AIを使って画像を分類し、高アクセスになるサムネイル画像の傾向をつかみました。世の中の課題解決といっても、いきなり「世界の貧困を救いたい」はハードルが高いので、私がよく学生に言うのは、まずは「自分が得すること」からはじめて、次に自分のまわり数人、さらにSNSで100人ぐらいのつながりで役立つことをしていくこと。有名になりたい、お金を稼ぎたい、最初の動機は「自分が得すること」でいいんです。

ゲームは、遊ぶより
創るほうが断然おもしろい

私が力を入れているもうひとつのテーマが、情報教育です。経済発展が著しいアジアでは、情報技術者の育成が急がれています。そこで、日本の国家資格を導入して、アジア7か国でICT人材を育てる国家的なプロジェクトにも携わりました。
新たな潮流が生まれては消えるのが情報分野であり、結果がいち早く出るのがこのAI分野。寝て起きたら、昨日まで不可能だった技術が生まれている可能性もあるのです。だから、生成AIなど、賛否ある最先端技術も有益に活用し、「あるものは使え、ないものは創れ」が私のモットー。私自身、小学生の頃にゲームは「遊ぶ」より「創る」方が断然おもしろいと気づき、プログラミングに打ち込みました。パソコンひとつあれば最先端の技術開発の主役にだってなれるのが、今のAI分野。何かやりたい、創りたいという人を大歓迎します。

Q&A 宮本先生に質問!

数学が苦手でも、情報系に進めますか?

苦手分野も目標があれば頑張れる

私も数学が大の苦手でしたが、ただただゲームを創りたくて努力を続けました。情報分野に特に不可欠な確率と統計は、しっかり勉強しておきましょう。数学だって、プログラミングだって、やりたいことや叶えたい目標がその先にあるから頑張れるのです。

研究以外で興味があることは?

「サムライ先生」の海外活動はライフワークに

海外の情報教育の現場では、学生たちに「サムライ先生」と呼ばれ、授業は常に満員御礼。これらの活動は自分の研究や教育の原動力にもなっていて、もはやライフワークです。結果、Facebook®︎の友達約5,000人のうち9割は外国人。英語に加えてベンガル語とタイ語を勉強中で、今後はクメール語にも挑戦しようと思っています。

最後に受験生にメッセージを

経過はともかく、目的地に確実にたどり着く

将来や仕事にもつながる大学の時間を大切に

目標を定め、飛行機であろうが新幹線であろうが夜行バスであろうが、経過はともかく、目的地に確実にたどり着く。この姿勢がAI分野の学びには重要だと考えています。この「結果は経過によらない」という思考は、偶然にも現在のAIの主流であるディープラーニングの考え方と似ています。行動すれば、失敗もいっぱいします。でも、結果が出せれば、それでいいんです。