携帯電話、無線LANなど、
無線通信技術が現代の社会を
支えているといっても
過言ではありません。
無線通信技術を専門にする
片山正昭先生に、
ご自身の研究についてお話をうかがいます。
教授 片山 正昭先生
関連リンク:
研究者総覧(教員データベース)
素早く、正確かつ安全に
遠隔制御の
ロボットが動く工場を
火を使って敵の襲来を伝える「のろし」は、おそらく最古の光による無線通信。どうすれば想いを正確に遠くへ届けられるか、人間は大昔から考えてきました。それが通信の本質ともいえます。私の専門である無線通信システムは、通信線の制約無しに、自由な通信を実現できるのが特色。しかし、通信品質の安定に難しさがあります。そこで、取り組んでいる課題のひとつが、有線並みの高い信頼性を持つ無線遠隔制御。例えば産業用ロボットの遠隔制御の研究では、工場で使われるのと同じロボットを使った実験を行っています。工場では、少しの間違いが大きな事故や損害につながりかねません。そこで不完全な通信環境でも、遠隔から指示をうけたロボットが素早く、正確かつ安全に動くような新しい工場の実現を目指しています。これができれば、いろいろな場所にある工場をオペレータ一人で操作でき、人手不足の解決にも貢献できます。
早くなら一人で行く、遠くに行くならみんなで行く
自らを「制御も分かる無線屋さん」と称しています。通信と機械の領域にまたがる私の研究のように、理工学は異分野を組み合わせると、おもしろい世界がいっぱいあります。また、「深い穴を掘るには、広い穴がいる」。これと共通するのが、「早くなら一人で行く、遠くに行くならみんなで行く」です。よりレベルの高い研究がしたかったら、専門だけでなく、異分野の知識と仲間が不可欠だと思います。新たな理工学部では、1年次に理工学の幅広い分野を学びますが、それぞれの共通言語を理解しておくことは後々大いに役立つはずです。
私の専門である無線通信は、目に見えない何かが遠くへ飛んでいく、理屈を超えた不思議やワクワク感があるのが醍醐味。新しい理工学部で、そのおもしろさを一緒に味わいましょう。
電波との最初の出合いは、幼稚園の頃。不要になった真空管のラジオを分解してロボットを作っていました。その後、高校でアマチュア無線に魅せられて、現在にいたります。家に大きなアンテナを立てて、思想や宗教の異なる国の境を越え、世界中の人々と喋り続ける時間が楽しくて。今もあの頃のワクワクする気持ちを忘れず、日々研究しています。
アマチュア無線にはじまり、エスペラント語、筋トレ、茶道と、いろいろなことに興味が尽きません。毎週やっているのが、筋トレとお茶のお稽古。健康に気をつけるようになってから筋トレが趣味になり、最初のころには考えられなかった重さも上がるようになりました。お茶は始めて20年ほどですが、この道ではまだまだ初心者です。
無線通信をテーマにしている研究室は、日本にそんなに多くはありません。私の研究室では、本物のロボットをつかった制御通信、光を使った無線通信、100Vのコンセントを使った通信等ユニークなテーマで世界最先端の研究ができます。追手門学院大学の新学部は、大規模すぎないサイズで、教員との距離が近い環境は魅力的です。新しい学部で、一緒に素敵な歴史をつくりましょう。