液滴がすべりやすい表面の設計

Kenji Yanagisawa

柳澤 憲史准教授、博士(工学)

設計工学、表面加工、トライボロジー

機械工学科

研究の概要

自然界のハスの葉やバラの花びらから着想を得た液滴がすべりやすい表面の開発に取り組んでいます。ハスの葉の表面構造を模倣して、水滴が簡単に転がる表面を設計し、バラの花びらのような微細な構造を研究することで、水滴の付着性と動作の違いを明らかにします。

このプロジェクトは、バイオミメティクス(生物模倣技術)とトライボロジー(摩擦学)を融合し、表面の摩擦や潤滑の制御を科学的に解析します。この研究は、環境に優しい材料の開発や、工業製品の効率向上に貢献することを目的としており、持続可能な技術開発の新しい道を切り開いています。

研究成果の社会での実装、活用シーン

さまざまな製品や産業での応用が見込まれます。特に、建築材料や自動車の窓、太陽光パネルなど、水をはじく効果が求められる分野での利用が期待されます。たとえば、建物の屋根や壁にこの技術を適用すれば、雨水が表面を素早く流れ落ち、藻の発生や汚れの付着を防ぐことができます。また、自動車の窓に適用することで、視界を良好に保ちつつ、雨天時の運転の安全性を高めることが可能です。

高校生へのメッセージ

科学の世界は、自然の不思議から多くのヒントを得ています。皆さんが日常で見過ごしているかもしれない自然界の現象が、実は次世代の技術開発の鍵を握っていることがあります。この研究を通じて、自然界の原理を理解し、それを応用して新しいものを生み出す楽しさを感じてください。未来の技術革新者として、皆さんがどのように問題を解決し、社会に貢献できるかを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。科学と技術は、創造的な思考と継続的な学びから成り立っています。