データを集めて分析する統計科学の研究
Mariko Yamamura
山村 麻理子准教授
統計数学、数理情報
※2025年4月開設
数理・データサイエンス学科※
研究の概要
何か明らかにしたいことがあり、データを①集める、②分析する、③結果を出す、④明らかになったことを発表する、これらの4つの作業に大きく関わるのが統計学です。私はデータの分析方法を考え、その作成、修正、改良などを行う理論的な研究と、実際のデータを用いて分析を行う応用的な研究を行っています。研究では、高校数学で学ぶデータの分析、確率、ベクトル、微分、積分などが大学数学のレベルに発展したものをよく使っています。また、データをパソコンで分析するために、Excel、Python、Rなどを使用し、プログラミングを行っています。分析方法は本当にたくさんあり、私の知らないものもたくさんあります。その中で私は、データが収集された時間と場所の情報についての分析方法を扱う、時空間統計解析の研究に興味があり、スパース推定という方法を用いた分析ついて研究しています。分析結果から、分析対象が時間ごとに地図上で変化していく様子を確かめることができます。
-
時空間統計解析の分析例
大阪府の犯罪率
(左:2001年、右:2008年) -
1995-2008年 犯罪率の変化
(上から、能勢町、箕面市、
泉佐野市、堺市、大阪市)
研究成果の社会での実装、活用シーン
AIって、何なんでしょう。聞かれていることに対して、1番相応しいであろう答えを教えてくれます。その1番の答えをはじき出しているのが、データ分析を行う統計学や機械学習です。なので、統計学の発展はAIの発展に深く貢献しています。また、企業、行政機関、研究機関などでは、色々なことを観察し、データとして記録しています。データを取って調べたいことがあるからです。調べるには、データを分析する必要があり、研究の概要で先述した統計学の①から④の技術が求められています。
高校生へのメッセージ
「どうして勉強するの?」って聞かれたら、何て答えますか。「勉強が好きだから!」って答えられたら最高です。そうでなければ、私ならば「そこにすべてがあるから」、「今の自分の状況から抜け出したいから」と答えます。勉強により「知る」を獲得することで、明るく道が開けると思うのです。勉強の内容は何でもいいと思いますが、統計科学もいいですよ。勉強が好きな方も、そうでない方も、大学4年間、追手門学院大学で一緒に統計科学の勉強や研究をしてみませんか。お待ちしております。