計量経済学における推定・検定とその実証研究

Hisahi Tanizaki

谷崎 久志教授、Ph.D. in Economics
(2026年4月着任予定)

計量経済学、統計学

数理・データサイエンス学科

研究の概要

計量経済学の理論的な側面(推定・検定)を研究しています。その実証分析の一つとして、下のグラフは1965~2024年の日経平均の終値の日次データ(黒)とその対前日変化率(青)ですが、経済が好況期では変化率の変動幅が小さく、不況期には変化率の変動幅が大きいと言われています。何らかの外的ショック(1973年石油ショック、1987年ブラックマンデー、2008年リーマン・ショック、2011年東日本大震災、2020年コロナ等)があった場合にも経済が不安定になり変化率の幅が大きくなります。株価とその変化率とは大きく関連しあっていて、その因果関係を研究しています。

研究成果の社会での実装、活用シーン

上述のように、株価の変化率は上昇局面では小さい変動幅で、下降局面では大きい変動幅となります。したがって、上昇局面では少しずつ株価が上昇し、下降局面では株価が乱高下しながら下落することになります。すなわち、株価の変化率の変動幅が大きいということは、リスクが大きいということを意味します。経済の下降局面で株価の売買はあまり得策ではないことが分かります。歴史的に見ても、バブル崩壊後の経済低迷期には不良債権がより増加して、より経済が低迷しました。

高校生へのメッセージ

私自身大学卒業後数十年になりますが、振り返ってみても、今の自分があるのも学生時代のあらゆる経験が糧となっています。その意味では、まず、皆様は勉学、クラブ活動、アルバイトなどを通して大学生活を大いに楽しんでください。大学の在籍期間は自身の将来のことを考える良い機会にもなります。また、学生時代に出会った人々とは将来にわたってずっとつながりを持つことになります。友好関係も大切にしてください。