空気浮上装置の開発と安定化設計に関する研究
Masakazu Takeda
武田 真和講師、博士(工学)
機械力学、流体工学、流体関連振動
機械工学科

研究の概要
火力発電所や製鉄所では、空気の圧力により、石炭を積載したベルトや鋼板などを浮上させて搬送を行う空気浮上装置が利用されています。この機械は、ローラーを用いた従来の接触式装置に比べて、騒音および消費エネルギーが小さい特徴を有しています。しかし、装置の稼働条件により、搬送物と支持装置に激しい異常振動が発生することが報告されています。この異常振動の発生は、騒音問題や搬送物の品質不良を招くため、現場では大きな問題となっていますが、抜本的な解決策は無く、現場の技術者の経験に基づいて試行錯誤的に設計・調整がなされています。そこで本研究では、異常振動の発生原因の解明し、より高性能な空気浮上装置を開発することを目的として研究を行っています。

研究成果の社会での実装、活用シーン
近年、スマートフォンの需要増加に伴って、フィルムなど安価で柔軟なフレキシブル媒体上に微細な電子回路や有機半導体を印刷するプリンテッドエレクトロニクス技術(PE技術)が世界的に注目されています。PE技術では、その特性からフィルムを非接触で搬送する必要があるため、空気圧を利用して非接触搬送を行う空気浮上装置の需要が拡大しています。本研究により空気浮上装置の安定化・高性能化が実現できれば、幅広い業界において有益となる空気浮上装置の普及を促進させることができます。
高校生へのメッセージ
「楽しむ」ことを大切にし、様々なことにチャレンジしましょう!
勉強が大変、だから「楽な方」に進路を決めたい。学校の試験に追われていると、そう思うこともあるかもしれません。「楽な方」に向かうことは悪いことではありませんが、それは「楽しい」こととは違います。両方とも同じ漢字を使いますが、人生を豊かにするのは「楽しむ」ことです。だからこそ、「楽な」ことではなく「楽しむ」ことを考えて、様々なことにチャレンジしてください。きっと、その先に皆さんが求める「夢」があります。