絶対一生味方なパートナーロボットを創る

Hideyuki Takahashi

高橋 英之准教授、博士(情報科学)

ヒューマンロボットインタラクション

情報工学科

研究の概要

人間は独りでは生きていくことができません。自分の味方となってくれる家族や恋人、友達がいるということは、生きていく上で大きな力になります。しかし他人と暮らすということは、様々なストレスやトラブルも同時に生み出します。またこのような存在がずっと自分の横で味方でいてくれる保証はありません。近年の心理学や神経科学の研究から、人工的に造られたロボットであっても、見た目や動き、発話内容が一定条件を満たすことで、我々はそれが実在の仲間のように感じていることが分かってきました。そこで、私は自分にとっての絶対的な味方である、と感じさせるロボットの外見や動き、知能や感情、さらに学習機能について情報工学と心理学を組み合わせた研究をしています。このような研究の先に、常に人間の絶対的な味方でいてくれるロボットが誕生し、結果として孤独に負けない(他人に忖度しない)人々の心が集まって創り出される新しい未来社会が実現するのではないかと夢想しています。

研究成果の社会での実装、活用シーン

ロボットを用いた情報工学と心理学を組み合わせた研究は、人間に優しいインターフェイスの研究開発やその社会実装につながります。現在、ロボットを介して環境を制御する技術の研究開発を企業と行っています。特に近年、ChatGPTのように人間と自然に対話可能な人工知能技術が急速に発展しています。このような新しい技術を取り入れた真に優しいロボットを創り出し、それを実際の産業にうまく橋渡しすることで、今とは全く異なる人間とロボットの共生社会を創り出せると信じています。

高校生へのメッセージ

この社会には無数の当たり前が存在しています。しかしこのような当たり前を、当たり前だと思って無思考に生きていると、本当に大切なものがボロボロと転げ落ちていきます。人間の真の味方となるロボットを研究することは、まさに人間関係の当たり前を疑うチャレンジです。「家族」、「恋人」「友達」、色々な当たり前を疑うことで、本当に善い人間同士の絆を見つけ出せるかもしれません。一度きりの大切な人生、後悔しないように「当たり前」を疑ってみませんか?