超音波の検査で安全・安心へ貢献

Osamu Saito

齋藤 理講師

材料力学、非破壊検査、超音波

※2025年4月開設

機械工学科

研究の概要

身の周りにある様々な構造物(航空機、船、トンネルや橋など)が安全であるためには、その材料に発生した損傷や欠陥を確実に検出することが大切です。本研究室で扱う検査方法は、超音波という人間の耳には聞こえない音を使って、材料を破壊することなく、材料内部の欠陥を可視化する方法です。これは病院で母体内の胎児を映す超音波診断と同様です。本研究室では、特に航空機にも用いられる炭素繊維強化プラスチックCFRPという材料や、軽量で複雑なサンドイッチ構造を対象としています。しかし、これらの検査は難しいため、超音波と欠陥の反応を理論的に解析したり、超音波の計測データの信号処理で欠陥を明瞭にする研究を進めています。これにより安全・安心な航空機への貢献を目指しています。

研究成果の社会での実装、活用シーン

超音波を用いた検査は、航空機、船、自動車などの輸送機器業界に加えて、道路や橋などの社会インフラ業界、風力・火力発電所などのエネルギー業界といった、様々な産業界で実施されています。また、材料は金属、セラミック、複合材料など多様です。年々、拡大する超音波検査の市場において本研究室は、板形状を伝搬する超音波で検査を効率化したり、欠陥の検出精度を上げることに寄与します。将来的には、航空機の飛行中にリアルタイムで損傷を検出するシステムへの応用が期待されます。

高校生へのメッセージ

科学や技術に少しでも興味があれば、ぜひ、進学を検討してみてください。この理工学部は新設なので、新しくクリーンな設備を使って学べます。皆さんが充実した学生生活を送れるように、理論や実験といった専門的な内容だけでなく、人に伝わるプレゼンテーションの技術や、文書の書き方、資格の取得によるスキルアップなどを、話し合いを大切にしながら全面的に応援します。卒業までの4年間で身に付けた理工系の専門的素養は社会に出てから必ず役立つことと思います。