システムの最適化とその応用
Atsumi Ohara
小原 敦美教授、工学博士
情報幾何、システム制御理論、最適化
数理・データサイエンス学科

研究の概要
様々な相互作用を及ぼしあう大規模・複雑な動的システムのモデル化・最適化とそれらの応用を研究しています。
最適化は身近な問題から様々な工学分野で用いられるばかりか、自然科学や経済・金融を含む社会科学でも有用な基盤技術としてますます重要性になってきている横断的な分野です。例えば、数万点に及ぶ部品の形状の設計・材料選択は最終的な一つの工業製品の性能向上に大きく影響しますし、金融資産の最善の投資、人的資源有効活用のための最適人員配置などは、経済システムや経営主体にとって利潤最大化のために重要な手段です。特に近年では、データサイエンスと関わりの深いパターン認識や推論などを扱う機械学習・数理統計に関わる研究やシステム開発では必須の基礎技術・知識となってきています。
右下図上:流体中の構造物の軽量化,下:グラフ上の非線形拡散現象

研究成果の社会での実装、活用シーン
- 商業ネットワーク、交通・流通網、インタネットなどの人・モノ・情報・疫病などの拡散現象のグラフ上へのモデル化、現象の解析、性質や性能向上のためのグラフ(ネットワーク)構造の最適化
- 障害物回避運動、スウィングバイ(惑星の運動エネルギーを利用した人工衛星の加速技術)軌道への運動体の最適遷移制御
高校生へのメッセージ
本学で経験する様々な講義や研究や、様々な志しを有する友人との交流も通して、しっかり学び、じっくり考える力を私たちとともに育んでいきましょう。きっと若い時代の貴重な経験となると思います。そして、様々に役立つ数理科学の視点と知識を備えた人として巣立ち、まわりの人々や後に続く人々にも役立つ、将来の社会で有為な人材へと更に成長できるようがんばりましょう。