論理学から人工知能まで

Shota Motoura

本浦 庄太助教、博士(理学)

数理論理学、自動推論、自然言語処理

数理・データサイエンス学科

研究の概要

論理学の研究としては、高校数学の「集合と論理」で習う「論理」を基礎として、アナウンスや命令といったコミュニケーションの行為が知識や義務の状態をどのようにさせるのかを推論する「動的認識論理」と呼ばれる論理の研究を行っている。また、システムとユーザが対話をしながら論理的な推論を進める枠組みに関する研究を理論と実装ともに行なっている。

人工知能の研究としては、ChatGPTのような言語モデルの能力の向上に関する研究を行っている。たとえば、専門用語を学習させることで専門的な文書を取り扱えるようにしたり、外部からの情報を利用しながら質問に回答させたりする研究である。また、言語モデルの論理的な推論能力の向上にも興味を持っている。

研究成果の社会での実装、活用シーン

動的認識論理は哲学との関わりが深いが、論理学一般はコンピュータサイエンスとの関わりも深い。例えば、プログラムに誤りがないことを論理学を用いて数学的に検証するといった研究がある。また、上記のユーザと対話をしながら推論を進めるシステムは、結果・痕跡から原因・背景を推論するシステムがベースであり、サイバーセキュリティ攻撃の調査などとの組み合わせが考えられる。言語モデルは、業界用語を学習し社内情報に基づいて、質問に回答するシステムといった応用が考えられる。

高校生へのメッセージ

皆さんにとって、数学は受験科目の一つに過ぎないかもしれません。しかし、大学ではもっと自由で広大な数学の世界を見ることができます。その世界の一角に論理学があり、論理学は哲学やコンピュータサイエンスといった学問分野とも深くつながっています。そんな学問の世界を、皆さんにぜひ見てもらいたいと思っています。そして、見てもらった後は、研究を通してその世界を一緒に作っていきたいと思っています。春にキャンパスでお会いできることをとても楽しみにしています!