6G以降の通信に必須なテラヘルツ波とレーザーカオス光の融合

Fumiyoshi Kuwashima

桒島 史欣教授、博士(工学)

非線形物理、テラヘルツ、レーザーカオス

電気電子工学科

研究の概要

THzは、発生検出が難しく長い間、未開拓電磁波帯と呼ばれてきた。フェムト秒(fs)レーザーを用いることで、発生検出が可能となったが、レーザーそのものが数百万円と高価であり、移動にも適さないサイズである。この問題を克服するために、多モード半導体レーザー(MLD)を用いた方法が共同研究者の萩行(大阪大学)谷(大阪大学→福井大学)により開発された。この時点では高出力半導体レーザーを用いていたため、数万円程度のレーザーであった。ただし、THz波が不安定であり、発生効率も悪いなどの問題があった。一方で、本研究室ではこれまでレーザーカオスの研究を行ってきた。カオスは時間波形は不安定であるが、時間平均は安定でかつ一定の分布に早く収束するという特徴を持っている。また外乱に強い構造安定性という特質も持っている。このレーザーカオス(数百円のレーザー使用)をTHz波に応用することで、長期安定で、高効率なTHz波の発生、検出を実現してきた。

研究成果の社会での実装、活用シーン

通信量の増大とともに、電波の高周波化は喫緊の課題であり、小型軽量高効率のTHz波源、検出装置が6G以降の通信では求められている。携帯電話などの通信装置の基盤技術を獲得する。また、分光にも応用可能であり、6G以降のデバイスの評価などに用いられる。

高校生へのメッセージ

これは、本研究室および共同権者のオリジナルな研究、技術であり、卒業生は、学会賞を日本のトップクラスの大学との審査の中で取得している。研究では、研究する方法、検討する方法、電気回路、電子回路、光学などの知識が自然と備わり、一流企業の研究職、電気電子関連の技術者などへの就職が可能である。また、担当教員は長らく就職指導もしてきたため、他の業種でも、相談に乗ることは可能である。共同研究も多くしているため、大学院への進学も可能である。一緒に頑張りましょう。